「インナーブランディングを鍛えよう!」という呼びかけに業種業態の垣根なく、企業のみなさまが集い、学び合う「Inner Branding WORKOUT 新企場」。2回目も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました!

テーマは「人的資本経営‟6年目のリアル」

2020年に経済産業省が発表した「人材版伊藤レポート」から、2026年で6年となります。
人材を企業の価値創造の源泉と捉える「人的資本経営」の広がりから
様々な企業で組織の在り方や評価制度の改革が進み、「人」を中心に据えた
インナーブランディングの重要性はこれまで以上に高まっています。

そんな中、各社が取り組む「人的資本経営」の実情はどうなっているのか。
今回は人的資本経営に関連するアワードで受賞歴のある企業をはじめとした
多岐に亘る業種業態企業のご担当者に登壇いただき、各社の取り組みをご紹介しながら、「リアル」や「課題」をライブ配信でみなさんと共有し、考えました。

各企業の課題や取り組みは、多くの企業が同じく頭を悩ませていることばかり。トピックスごとにご紹介します。

登壇企業/登壇者

・JBCCホールディングス株式会社 執行役員 人事担当 山﨑亙氏
・名古屋鉄道株式会社 人事部 人事戦略担当課長 岩田幹氏
・株式会社Smart相談室 ビジネス統括責任者 伊禮武彦氏
・日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 経営企画部生成AI推進、社内コミュニティEFE推進 細山田隼人氏
・コクヨ株式会社 H&C本部 働き方改革推進総務部 コミュニティデザインユニット 渡邉陽南氏
・株式会社タノシナル 代表 福島ツトム | ファシリテーター

※ご登壇者の所属部署・役職等は2026年2月登壇当時

離職率は低い方がいい!…わけではない!?

厚生労働省の雇用動向調査によると、IT業界の離職率は10%以上だが、
JBCCホールディングス株式会社は、3.7%という低い数値をキープしている。
一般的に「離職率は低い方がいい」というイメージだが、執行役員人事担当の山﨑氏は
「安住の地として居続けるよりも、この会社で自己実現を成し、キャリアを向上して
がんばりたいという人が占める割合の増加の方がはるかに重要」と
離職率の低さよりも中身の大切さを指摘した。

そんなJBCCホールディングス株式会社では、全マネジャーを対象に「Jコーチング」というコミュニケーションスキルコーチングを新たにスタート。
部下との「関係性の質」の向上と、それによる「組織強化」「事業成長」を目指し、
部下に対して時には厳しいことも伝えなければならない場面でどうするか、
改善点をしっかりと伝えることにフォーカスし、管理職をターゲットとした実践的な
取り組みをおよそ8カ月間にわたって行っている。

ハラスメントで悩んでるのは部下より上司!?

社員の悩みを専門家にオンライン相談できるHR支援サービス「Smart相談室」において
昨今増加しているのが管理職からの悩みで、最も多いのは「ハラスメント」に関する相談。
一般的にハラスメントは「された方」が相談するイメージだが「しているとされている方」
からの相談が多い。
「これまで通りに接していたらハラスメントだと言われ、怖くて部下と
コミュニケーションが取れない」という声が多く上がる。
Smart相談室では専門のスタッフが「線引き」をアドバイスすることで解決に導くが、
ビジネス統括責任者の伊禮氏は問題の根幹にあるのは「世代間ギャップ」と指摘。
互いの価値観を無理に合わせようとせず、行動を変化し、順応することが大切と語った。

育児や介護、社員のライフステージにどう向き合う!?

HRアワード2025「企業人事部門」で優秀賞を受賞した名古屋鉄道株式会社では、
多様な働き方に関して様々な改革に着手。人事部人事戦略担当課長の岩田氏は現場に足を運び、社員の声と実態を根気強くリサーチ。50歳以上の社員が半数以上にのぼる中、介護支援の重要性を痛感した。
育児と異なり、一人ひとりの状況が異なる介護は、画一的なプログラムでの対応は難しい。
試行錯誤を重ね「家族とキャリアへの想いを叶えるフルパッケージの介護支援プログラム」が始動した。

Smart相談室の伊禮氏によると、介護に関する相談は育児とほぼ同数に上るとのこと。育児に関してはある程度制度が整っているが、介護に関しては制度化が進んでいない企業も多いため、「どうしたいいのか」という相談が寄せられる。高齢化がさらに進む中で、各企業が対応を迫られることが予想される。

社内コミュニティはボトムアップから!

日本ペイントグループの有志7人で始め、口コミで3年で300人にも増えた「従業員の、従業員による、従業員のためのサードコミュニティEFE(Engagement For Employee)
HR’s SDGs Award 2025「はたらくを楽しく」部門で優秀賞を受賞したこのコミュニティを立ち上げた日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社経営企画部の細山田氏は、技術者として工場や研究所の‟現場”で勤務。そんな細山田氏が活動を始めたきっかけをこう語った。

事件は現場で起きている!

「経営が発信しているメッセージは全く現場には届いていない」
「経営が見えている世界と現場では乖離がある」

経営者が聴いたら悲しくなるようなセリフだが、これがリアル。

そこで一念発起。自分たちがボトムアップからうねりを起こして変えていこう!と、有志7人が社内コミュニティを立ち上げた。

社内にサードプレイスをつくるというテーマのもと、活動はワークショップを中心に月に4・5回実施。取り上げるテーマは多岐にわたり、職位や世代を超えてフラットにつながる場が広がっていった。

中でも気になるのがこちら。

「生きがい」ではなく「死にがい」

生前には入ることのない棺桶に入り、弔辞を体験。互いの死生観を語るなど企業のワークショップとしてはかなり攻めたテーマに思えるが、自分の価値観、生き方、大切にしていることなどを真剣に語り合い、それが日々の行動や仕事への姿勢につながることも浮き彫りになった。

このコミュニティ活動を会社も支援し、役員も参加。2025年度の統合報告書への掲載年始の社長メッセージでも人に関する話が半分を占めるなどボトムアップからの人的資本経営が広がっている。

会社の節目に‟お祝い”ではなく、社員に‟覚悟”を問う

コクヨ株式会社は120周年を迎えた2025年10月にリブランディングを行い、社内外に発表した。
その際、社内に向けてその意図を伝えるために開催したインナーイベントをタノシナルがサポート。
イベントタイトルは「Ride or Not-乗るか乗らないか-」
あえて挑戦的なタイトルで社員一人ひとりに覚悟を問い、コクヨグループがひとつになる瞬間が生まれた。

大成功を収めたポイントは?

当日の流れはベーシックでありながら、インパクトを与え、大成功を収めたのはなぜなのか。
ポイントが3点ある。


一つ目は、パブリックビューイングの多数設置
メイン会場は東京・天王洲の寺田倉庫(E HALL)だが、全社一丸となって盛り上がるイベントにしたいという事務局様のご要望で、国内外13か所でパブリックビューイングを開催。グローバルにも力を入れ、インドでは500人が集まった。

二つ目は、大阪・東京のダブルMCシステム
500キロ離れた大阪と東京をZOOM中継で結んでまるで2つの会場がひとつになったかのように
シームレスに進行。カメラワークと各会場からの映像を素早く切り替える展開をテクニカルスタッフと入念に打合せ、当日はライブならではのアドリブを楽しみながら、臨場感のある映像を視聴社員に
届けた。

三つ目は、事務局メインメンバー、渡邉さんの開会宣言!
開催宣言をすることが決まったのは、実は開催日当日。そんな中、誰よりも覚悟をもって壇上にのぼり、タイトルに込めた事務局の想いを率直に伝え、社員一人ひとりに覚悟を問うた彼女の“言葉の力”は圧倒的だった。
宣言終了後、盛大な拍手が巻き起こり、このあと登壇した黒田社長から「感動した!」と声があがり、熱気を帯びて会はスタート。
この開会宣言が導火線となって盛り上がり、社員から「RIDE!」というチャットがたくさん寄せられた。

イベントの詳しい内容はコチラから!

最後に

「人的資本経営“6年目のリアル”」をテーマにお届けした「Inner Branding WORKOUT 新企場 2nd Edition」
今回は、様々な企業のご担当者様への取材やお話を通じてすばらしい取り組みと志を共有いただく、貴重な機会となりました。
ご登壇いただいたみなさまに共通していたのは、自ら動き、変えていく行動力と覚悟。
試行錯誤しながら社員に寄り添い、考え抜いた中での取り組みが社員の心を動かし、ひとり一人の熱量=働きがいを上げていく。今回のIBWを通じて見えてきたのは、そんな人的資本経営の現在地でした。

企業を形作り、組織を活性化させ、事業を成長へと導くのは、
他ならぬ一人ひとりの社員のみなさんです。
人的資本経営の取り組みのすべては、会社の未来をつくる社員のためにあります。

インナーブランディングで「はたらく」を最高潮に

タノシナルはこれからも、社員のみなさんの側に立って企画しながら、
経営の想いや覚悟、会社が目指す未来がしっかりと伝わるよう
ご担当者様に寄り添いながら、様々な手法を用いて総合的にサポートしてまいります。

社員の心を揺さぶり、意識と行動の変容を起こすインナーブランディングをご一緒に。